投信工房で話題の松井証券のメリット・デメリットを語ってみた

松井証券

長らく投資信託から撤退していて、近年復活した松井証券。

現在では、他のネット証券と同程度のインデックスファンドを取り揃える証券会社の一角になりました。

そのような松井証券の投資信託やサイトについてどのようなものなのか、あるいはロボアドバイザーサービスである「投信工房」を試してみての感想などメリット・デメリットをご紹介したいと思います。

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まずは厳しいことをいうようですが・・・

松井証券さんが投資信託の取り扱いをいわばやめさせられてからもう18年になるのですね。正直知りませんでした。

なぜなら私がインデックス投資を始めた時(2002年ごろ)にはもう投資信託を扱っていなくて個別株のみの取り扱いになっていたからです。

ここは10万円以内の取引は手数料が無料ということと5年前くらいはあまりなかった一般信用取引を取り扱っている業者として株主優待ただ取りのために開設していました。

その後株主優待ただ取りがめんどくさくなってやめてふるさと納税に移行してからは使わなくなり数年前に解約しました。

その松井証券さんが「投信工房」をつくり、

ロボアドバイザリーサービスを駆使したポートフォリオ構築を支援したりすることや、

リバランス積立を自動で行ってくれるサービスを採用して

バランスファンドを使わなくてもリバランスしながら積立ができるという

インデックス投資をするにあたっての問題が一挙に解決してしまう武器をひっさげて殴り込みをかける姿勢はとても素晴らしいと思います。

ただ・・・私は今のところ口座を再開設しようとは思っていません。

理由は今からお話ししますが、すでに自分自身では解決してしまっているからですね。

いまさら感がある

私がTOPIXインデックスファンドを購入しだしてから現在まで14年間インデックス投資をおこなっています。

積み立てを始めたときにお世話になったのがカブドットコム証券でした。

当時「ファンド星人」と名を打った投資信託の積み立て制度はとてもすばらしく、現在でもファンド星人のシステムを改良された積み立てサービスが展開されています。

その後マネックス証券や楽天証券、そして現在利用しているSBI証券と証券会社を渡り歩いて自分にあった投資信託を積み立てできるような環境を整えました。

  • 証券投資はSBI証券
  • 出入金は住信SBIネット銀行
  • 投信マイレージのためクレジットカードもSBIカードを作成

と現在ではSBIグループにすっかり囲い込まれている現状からわざわざ松井証券を利用するという気持ちにはなれません。

松井証券さんが投資信託から撤退されてからの18年間はとても長いものでそのあいだに同業他社は投資信託を買ってもらおうといろいろとノウハウを蓄積され、そして競争されてきました。

具体的には

  • 2000年初頭ならば1万円単位の積み立てを500円単位に
  • 出入金環境をよくするため(囲い込みのため?)銀行を設立
  • 積み立て買い付けに対して定期解約サービス
  • 資産残高・ポートフォリオをビジュアルにお知らせするサービス

などとサービスの充実ぶりはめざましいものではっきり言って既存のインデックス投資をされている方がわざわざ使うことはいまさらな感じがあります。

サイトが使いにくい

松井証券さんのサイトははっきり言って

サイトが使いにくいです。

個別株の買い付けや資産額の確認などなど非常にわかりにくく、使いにくいと思います。

メリットの一つだった一般信用取引もSBI証券や楽天証券も使えるようになりましたので、

ネット証券のわりには大手証券会社のようなサイトの作りですので非常に使いにくいですね。

他のネット証券で十分使える

上のいまさら感がある項目でもお話ししましたが、他社のネット証券で取引をしている人にはあまりメリットは感じられません。

松井証券の新たな武器「リバランス積立」も少ない資産額ならば有効でしょう。

ただそれなりに資産が増えてくるとリバランスは積み立てでは追いつかず、資産が多いファンドを解約して足りないファンドを買い付ける作業が必要となります。

そうなってくると現在のネット証券で問題なく投資ができます。

松井証券が新たに取り扱うファンドはすべてほかのネット証券で取り扱っていますのでわざわざ資産を移す必要もありません。

そして最後にインデックス投資を始めてから他の商品を取引したいという場合もあると思います。

そうなってくると松井証券の取扱商品は国内の個別株とFXしかなく、外国株の取引はできません。

SBI証券や楽天証券、それにマネックス証券では外国株の取引もできます。

つまりインデックス投資から広がる選択肢が少ないこともほかのネット証券で十分だと思う理由の一つです。

ところが、厳しい意見をならべてみたのですが、松井証券はとてつもなくインデックス投資にたいして前向きな姿勢に転じるようになりました。

それが、つぎにご紹介する新聞の全面広告です。

全面広告について

日本経済新聞に掲載

松井道夫社長を前面に押し出した全面広告が2017年1月19日付けの日本経済新聞に掲載されていました。

内容は100%「投信工房」についての内容です。

松井証券のホームページでも見ることができます。

www.matsui.co.jp

内容について

この全面広告の内容についてまとめてみたいと思います。

インタビュアーが松井道夫社長に話を伺うという形で意見が述べられています。

投信工房というサービスのPRというよりもどちらかといえば「意見広告」に近いスタイルとなっています。

そのなかでは非常に考えさせられることがいくつ述べられていました。

投信は消費者のためでなく販売会社のためのもの

投資信託は以前から証券会社の系列の運用会社が開発した商品をなかばゴリ押しで売っていき、顧客には頻繁にのりかえさせることとで高い手数料を稼ぐというスタイルになっていました。

そのため高コスト構造となりハイリスク・ローリターンとなっています。

日米の投資信託の比較がされていましたが、日本の投資信託の高コスト・高手数料・低成績をアピールしています。

そして日本の投資信託は消費者のためではなく、販売会社のためのものと言い切っています。

20年前に撤退していた

松井証券は約20年前の1998年に投資信託の販売から撤退していました。

当時横並びだった投資信託の販売手数料を割引したことから投信会社から販売契約を打ち切られたとのことです。

それいらい株一本で経営していたもののいつかはこの借りを返したいと思っていたとのことです。

ターゲットはファンドラップ

投信工房を作った理由がファンドラップとの対抗にあるとのことです。

広告ではファンドラップの高コスト構造に対して投信工房がいかにローコストかアピールされています。

信託報酬の平均がファンドラップが年間2.2%なのに対して投信工房は0.37%のため消費者のためのサービスであると強調されていました。

またファンドラップの高コスト構造は「販売営業員の中抜きのため」とばっさり。

それに対抗して投信工房は

ロボアドバイザリーサービスを活用して圧倒的な手数料差を実現したいと松井社長は述べています。

そして販売営業員のうっとうしい営業活動もなくしかも適切なサービスを提供できると言い切っています。

これらを含めてリバランス積立や500円からの積立投資が可能な投信工房をぜひ利用してほしいと締めくくっていました。

全面広告を読んだ感想

非常にやる気を感じた

この全面広告を読んで私は松井証券さんが非常にやる気になって投信工房を開発したのだと感じました。

昔から松井証券の松井社長はよくメディアに登場して業界の慣習を打破しようと試みられていました。

それがこの広告でもはっきりとみられた気持ちになりました。

投資信託の高コスト・手数料を乗り換えさせる戦略がはびこっていることはインデックス投資をおこなっているひとりとして非常に感じています。

広告なので比較広告的な点が大きく強調されているのだとは思いますが、

株式取引手数料自由化のときのような熱い気持ちが感じられました。

初心者の方にはおススメできるサービス

この投信工房について私は初心者の方にはおすすめできるサービスであると思っています。

なぜならラップ口座はおもに若い人を狙っているものの富裕層・高齢者が主な顧客になっているという状態ですので、

ネットでアドバイスをおこなうということをきちんと提供できればローコストのインデックスファンドをとおして営業マンを通さず低コストでポートフォリオを提案できるからです。

しかも扱っているファンドがすべて通常のアクティブな投資信託ではなくローコストなインデックスファンドであることも良心的であると感じています。

他のネット証券では多数のアクティブ投信にまざってインデックスファンドが販売されている状態ですのでこれらをピックアップするのはなかなか難しいと思います。

10年前にはこういったアセットアロケーションを自分で本を読んで取り組まなければなりませんでしたが、

現在では手軽にロボアドバイザーを利用することができるので良心的ではないかと感じました。

さらに便利なのがリバランス積立という仕組みが標準で用意されているのもいいと思います。

通常積立リバランスをする際には自分でポートフォリオの資産配分と積立額を調整しなければなりません。

電卓一つで簡単にできますが、これはマニアである私たち投資好きな人だからできるものだと思っています。

初心者の方にはこんなめんどくさいことをせずに放置されることが想像できます。

これを手続き一つで行ってくれるのは非常にいいのではないかと感じています。

つぎに、ロボアドバイザーサービス「投信工房」を試しに使ってみましたのでレビューについてご紹介します。

投信工房についてのレビュー

現在話題の松井証券がスタートさせたロボアドバイザリーサービスの「投信工房」ですが、私も試してみることにしました。

簡単な質問で具体的なファンドが出てきましたがその点についても感想をお話しします。

問題はシンプル

投信工房のロボアドバイザーはログインせずだれでも試すことができます。

さっそく試してみることに。

最初に求められたのは以下の項目です。

  • 年齢
  • 投資目的
  • 収入
  • 投資経験年数
  • 用語の理解度
  • 資産が値下がりした場合どのような対応をとるか
  • 自分の投資のイメージ(上昇した場合、下落した場合のグラフを見てピンと来るものを選ぶ)
  • 積立投資を行うかどうか

これだけの項目を入力、または選択するとおすすめのポートフォリオが出てきます。

またリスクやリターンの分布表示もあり、どれだけ自分のポートフォリオのリスクやリターンが一目でわかるようになっています。

本当に簡単で「え?これだけ??」という感じでした。

ちなみに用語の理解度の問題は

複利効果・インフレ・国際分散投資の3つでした。

自分では理解しているつもりなのですが、いざ文章にしてかきだそうとするとなかなか書き出せないものなので理解しているのかどうかはちょっと自信がありません・・

20%下落時にどのような対応をするのかという質問もありました。

私は積極的に追加投資派です。下落した時には喜んで追加投資をおこなってしまうマゾ的な投資家になってしまいました(笑)

好感が持てたのが3年後の値上がりや値下がりのイメージのグラフを選ぶものです。

自分はリスクを背負えるぜい!と思っていてもいざ下落してみるとつらいものです。

ましてやイメージがつかめていないのならなおさらです。

「こんなはずじゃなかった」という気持ちを少しでも和らげるためにグラフでもうかるだけでなく、

「これだけ値下がりするかもしれませんよ」というネガティブな条件も入っていることには好感が持てました。

おすすめファンドはローコスト

わたしが選ばれたリスクのタイプは「やや積極的型」というものです。

すると

  • 株式(国内・先進国・新興国)
  • 債券(国内・先進国・新興国)
  • REIT(国内・海外)
  • そしてコモディティ(金)

のファンドがおすすめと出てきました。

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出典:松井証券ホームページより

ラインナップをみるとなかなか面白いです。

外国株式はリスクを背負う考えからか為替ヘッジはなく、逆に外国債券のファンドは為替ヘッジ型を選ばれたりしていましたので為替の変動の考え方も要素に入っているのだなと思いました。

ただ・・・コモディティで金はいらないのでは?とも思ってみたりしています。

どうせコモディティをいれるのなら通常のコモディティインデックスでもいいのかなとも思ってしまいました。

資産変化のイメージもわかりやすく明示されていました。

面白かったのがシナリオ機能で、リーマンショックやアベノミクスの状況を含めばこのような結果になったことを知ることができます。

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出典:松井証券ホームページより

投信工房を使っての感想

経験者なら自分で計算するのもあり

私はインデックス投資を10年以上おこなっていることもありファンドはすべておなじみなものでした。

インデックスファンドでもこれだけたくさんのファンドがあるのだと思うと昔の少しでも信託報酬の少ないインデックスファンドを探しまくっていた時期とは大きく変わったなと実感しています。

ただこのファンドロボを使った感想としては帯に短し襷(たすき)に長しといった感想を持ちました。

初心者の方でファンドの選び方はちょっと・・・と思われる方はいいかもしれません。

ただ気になるのはポートフォリオが分散しすぎていてリバランス時にはめんどくさいかなとも感じました。

初心者の方にはオススメファンドの種類が多過ぎる気持ちがしました。

初めてファンドを所有される方に9種類ものファンドをいきなりもつのはちょっと多過ぎるかなとも思っています。

これならば逆にバランスファンドをベースにトッピングしたプランの方が所有するファンドの数が減らせてシンプルなプランができそうなきがするのですが・・・

ここはリバランス積立で乗り切るつもりなのでしょう。

また全体的にインデックスファンドでもコストが高めなものが採用されているような気がします。

国内株式と先進国株式はローコストなのですが、あとは為替ヘッジが入っていたりコモディティが入っていたりと全体的にコストが高めなものがオススメされていると思います。

松井証券さんもこういったファンドを入れることで収益を得るつもりなのかもしれませんね。

逆に経験者の方の場合だとわざわざロボットにアドバイスされなくてもという気持ちになってしまいます。

たとえば私がおすすめされた外国債券のファンドは為替ヘッジ付きです。

私は外国の株式や債券に投資する際には為替ヘッジはつけません。

為替変動の有無も自分の資産が変動する要素として残しておきたいからです。

ロボアドバイザーの機能として結果が出た後でこういった為替ヘッジの有無や新興国に投資するかどうかなどの追加質問機能があるともっといいものになるのではないかと思います。

そもそも経験者の方がロボアドバイザーのアドバイスなんかは受けずに自分で考えられる方が多いでしょうから初心者向けに設計されていると思います。

その割には提案ファンドが多すぎたりしていますのでなかなか難しいですね。

いい時代になったものだと実感

私は経験者なので本を読み、ポートフォリオをいじくり回していましたからいろいろと注文をつけてしまいました。

ただもし私が初心者の時にこういった投資支援としてどのファンドに投資すればいいか

そしてリスク・リターンはどうなっているかを具体的にしかもグラフ等でわかりやすく提示するサービスがあれば間違いなく利用していると思います。

私も試してみて自分の所有しているファンドと比べてみたりすることができましたのでいい経験ができました。

そして自分の保有しているファンドがわりといい感じじゃねとも再認識しています。

私はどうするか

松井社長の考えは非常に熱く、賛同できるところがたくさんありますのでこれから始められる方ならば自信を持ってお勧めできるサービスと感じています。

ただ私自身はどうかというと、いまのところは乗り換えるつもりはありません。

現状のファンドで満足

それはなぜか。

10年以上前からインデックス投資に取り組んできましてさまざまなポートフォリオを作っては改めてという行為を繰り返してきまして現在のポートフォリオで落ち着いています。

そのため通常のネット証券でのローコストインデックスファンドを活用できるようになっているからです。

そして構築したポートフォリオを移管させるのには非常に手間とコストが必要になってしまっています。

税金や信託財産留保額などです。

その手間をかけてまではちょっと・・・というのが率直な気持ちです。

この知識を得たのが最近ならば間違いなく投信工房にお願いしていたと思います。

再開設して試したいが

これだけ「投信工房」について書かせていただいた私の記事を読んでいただいた方が多いので口座を再開設して試してみたいのですが、

やっぱり迷惑かなぁとも感じています。

お試しだけのために口座を再開設するのもちょっとと思っています。

一方でこれだけのことを書いておきながら自分では使わないのはどうかとも思ってしまいますので、

もうすこし悩んでからどのようにするか考えたいと思います。

新たに始める人にはおすすめ

今まで書いた意見は私たち「既存の」インデックス投資家にとってのものであって、

新たに投資を始める人にとってはいい制度なのではないかと思っています。

理由としては

  • 商品のラインナップがインデックスファンドのみ
  • ロボアドバイザリーサービスの利用料が無料
  • 投資の初期には「リバランス積立」が有効

が挙げられます。

10年前ならばこれらのことは自分で本を読みポートフォリオを構築してメンテナンスする必要がありました。

松井証券の投信工房ではこれらが自動的に行えますので真の意味でほったらかし投資ができます。

そしてファンドのラインナップがインデックスファンドのみというのも良心的であるといえます。

通常ならば信託報酬を稼ぐために高コストのアクティブファンドもラインナップに加えるのでしょうが、インデックスファンドのみにすることで利用者がファンド選定をミスってぼったくられる心配がありません。

そして初心者の方ならばめんどくさくなるリバランスも自動的に調整してくれますので一度決めたポートフォリオを維持する限りでは非常に取引が簡単になりますのでいいのではないかと私は思います。

その後でもっといろいろなものに投資をしてみたい、自動ではなくあえて自分の意思でファンドを管理していきたいと思う方ならば新たに勉強をすればいいだけの話ですから。

まとめ

今回はあえて独断と偏見で私の松井証券さんの「投信工房」についての意見を書かせていただきました。

ちょっときびしいことを書いた気もしますが、長期間投資信託の販売から手を引かれていてあえて再度参入されるということで既存のネット証券のサービスが向上されて競争が活発になるといいなとも思っています。

さらに、今ではiDeCo(個人型確定拠出年金)にも参入するなどやる気は他のネット証券に全く負けていません。

実際にサービスが開始されたら他のブログでもレビューが掲載されるはずですのでそれからどうするか考えてもいいですのでその記事も楽しみにしたいと思います。

では、またよろしくです!