我が家は借家に住んでいます。
しかも、縁もゆかりもないところで住みはじめました。
それはなぜか。
私は転勤で現在の愛媛県松山市に移り住んできたからです。
転勤族というやつだったのですが、いろいろメリットがありました。
一番大きなメリットとしては、借り上げ社宅に住めるため家賃が安いというものです。
私が住んでいたのは家賃6万5,000円くらいの物件で、自己負担額は2万円ほどでした。
会社の命令で移り住むのですから、ありがたい反面、退職時には反旗を翻す存在となります。
基本的に借り上げ社宅は退職時には退去するものとされているため、住み続けるときにはけっこう大変です。
ご安心ください。
現地で転職先が見つかっているならばまったく問題ありません。
しかしながら、退職後無職で住み続けるには非常に大きな困難が伴います。
私は後者のパターンでしたので、住む家がなくなる危険を感じましたね。
この記事では、借り上げ社宅に住んでいた後、無職のまま住み続けるときにどうなったのかについてお話しします。
借り上げ社宅に退職後無職で住みたかった私の結末
私が借り上げ社宅に退職後住み続けたかったのですが、結論からお話すると無事住み続けられています。
しかしながら、家を失う危険性が大きかったのも事実です。
ポイントとしては次のとおりとなります。
- 無職が新規で家を借りるのと同じ扱いになる
- 借家人としての権利すらない
- 審査すら受けられない場合もある
- 保証会社がかめばなんとかなった
では、それぞれお話ししたいと思います。
無職が新規で家を借りるのと同じ扱いになる
今まで借り上げ社宅に住んでいた状態からそのまま住み続けた場合、新たに審査からやり直す形となります。
冒頭にお話しした転職すればOKというものはここにあります。
無職なら、どうなるでしょうか?
当然ながら無職のなんの信用もないやつが新規に借家の申し込みをするという扱いになるんですね。
無職の新規でなかなか家を借りるのは難しいですよね?
それが現実のものとなるのです。
借家人としての権利すらない
個人名義で借りて、会社から住宅手当という形でお金をもらっていた場合には、退職後も問題なく住み続けられます。
しかしながら、借り上げ社宅の名義人は「会社」です。
入居者はいわば会社から家を使わせてもらっている身分となっちゃうんですね。
借家人を守るための法律として「借地借家法」というものがあります。
この法律により、大家さんは借家人を簡単には追い出すことができません。
しかしながら、借り上げ社宅の場合は借地借家法の適用対象外 となり、即座に追い出すことが可能です。
現在住んでいるのに、次の住まいを見つけなければホームレス家族になってしまいます。
私は大きな危機感を感じました。
審査すら受けられない場合もある
3番目としては、門前払いの可能性もあるということです。
私が入居しているのがダイワハウスの賃貸物件”D-room”です。
ここの場合、入居者の条件として定職に就いていることがあります。
そのため、無職の新規は審査の対象外=お話にならないということになります。
私はまさにこの無職の新規扱いとなるためとても困りました。
保証会社がかめばなんとかなった
そんな無職お断りのダイワハウスの賃貸物件”D-room”ですが、一本の蜘蛛の糸が私に降りてきました。
それはたまたま家賃保証会社の保証が得られたら入居ができる物件だったんですね。
私は家賃保証会社の保証を得るために、全力を傾けました。
いろいろネットで調べた結果、無職でも預金残高があると保証されるということを知ることに。
UR賃貸住宅は家賃の100ヶ月分の残高証明を出せば保証人は不要です。
このパターンを習って、100ヶ月分以上の預金残高の明細を保証会社に提出しました。
その結果、審査は通り、このまま住み続けられることになりました。
まさに蜘蛛の糸状態 でした。
次にはこの「蜘蛛の糸がプチッと切れたとき」にはどうしようとしていたかについてお話ししたいと思います。
今の物件に住めなかったときの対策
では、私が住んでいた物件を住み続ける審査に通らなかったときにはどのようなことを行おうとしたのかについてお話ししたいと思います。
別の賃貸物件を探す
まず最初に考えたのは別の賃貸物件を探すということです。
D-roomでは無職は門前払いですが、他の賃貸業者・大家さんならば貸してくれるかもしれません。
審査が通らなかったら即座に他の不動産屋へ走るつもりでいました。
そしてネットの物件情報などを家族と相談しながら転校せずに近所の賃貸物件の情報を 探すようになりました。
中古住宅の購入
次善の策に考えていたのが中古住宅の購入 です。
家賃保証会社の審査に通らないということはまさに信用度ゼロということになります。
さすがに他の賃貸物件の審査が通らなかったときにそなえて中古住宅を探すようになりました。
そして家族への影響を最小限にするために、転校のない近所で中古住宅の物件を探していました。
幸い私が住んでいるエリアは物件価格が安く、一括で購入できるくらいの中古住宅がいくつかありました。
それを物色していましたね。
実家へ避難する
最後の手段としてまずは実家へ引っ越すことも考えていました。
私は愛媛県在住で実家は大阪府です。
当然ながら家族への影響は甚大です。
でもホームレスになるならば最悪の選択肢として愛媛県を離れることも想定していましたが、一方で不満でも2番目の中古住宅一括購入でなんとかなるかなと楽観的にみていたのもまた事実です。
次に感じたことについてまとめてみたいと思います。
借り上げ社宅で退職する際に感じたこと
ある意味人生で一番のピンチだったかもしれない今回の借り上げ社宅入居者が無職で退職時に住み続けるために行ったことを今までお話ししましたが、この経験から感じたことについてまとめてみたいと思います。
無職は信用がないことを実感
私が勤務していた会社は東証プライム上場企業でした。
そのため、クレジットカードの審査も全通過だったり、それなりに信用があったのを思い出します。
しかしながら、退職するとそんな信用などというものは一瞬で吹き飛ぶというのを実感しましたね。
まさに社会の厳しい洗礼をさっそく受けたのを実感しました。
金融資産が救ってくれた
次に感じるのは金融資産が家族を守ってくれたというものです。
我が家はFIREできるほどの金融資産はありませんが、中古住宅を一括購入できるくらいの資産はあります。
ですので、保証会社の審査を通過することや、中古住宅を一括で買えばなんとかなるという状況は私や家族の不安をかなり払拭できたと思っています。
投資などで金融資産を増やしておいてよかったとこのときほど実感したことはありませんね。
情報がめちゃくちゃ少ない
借り上げ社宅の転勤族が退職してそのまま家に住み続けるということがかなりイレギュラーなのか、ネット検索して情報が出てこないことが非常に不安でした。
縁もゆかりもないところに赴任したのですから、退職後は地元に帰られる方が多いのでしょう。
しかしながら、我が家は縁もゆかりもなかったところから、友達や地域の人との交流ができるようになり、居心地も良いため住み続けることにしました。
家族を路頭に迷わせることは避けたい方も多いと思うのですが、転勤族が退職した際の物悲しさを実感しましたね。
まとめ:借り上げ社宅はかなりリスキーな制度だと思います
今回私が転勤で借り上げ社宅に入居後退職し、住み続ける際に非常に苦労したことについてまとめてみました。
確かに借り上げ社宅は入居時には安く住めるので非常にありがたいのですが、退職時にはまさに反旗を翻すように信用度が試されることになります。
病気などで退職後働けない人はまさに新規の無職が賃貸物件を借りるのと同等の扱いとなりますし、借家人としての権利すらないですので、即座に追い出されます。
私のようなイレギュラーなパターンを救ってくれたのはやはり「お金」だったと実感しました。
転勤族にとっては福利厚生の一つである借り上げ社宅も非常にリスキーな制度なのだなと思いますね。
では、またよろしくです!