精神障害による労災申請の流れについて申請者目線で解説してみた

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精神障害による労災申請の流れを-申請者目線で解説してみ

毎日のようにハラスメントで労災が認定されたというニュースを見かけるようになりました。

昔と違ってハラスメントに対して声を上げる方が増えてきたのだと実感しています。

私もハラスメントに対する労災申請をして認められ、現在休業補償給付を受給している一人です。

労災申請にあたって一番実感するのは情報が少ないこと

検索しても「相談してください」のオンパレードです。

「相談したその先がわからない」というのが率直な感想です。

そこで、自力で労災申請し、認められた一人としてどのような流れになるのかについてざっくりまとめてみることにしました。

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労災申請の流れ

まずは労災申請の流れについてご紹介したいと思います。

労災申請はこのような形で進んでいきます。

  • 労働基準監督署へ申請への相談・申請書・申立書の入手
  • 申請書・申立書・証拠の提出
  • 本人への聴取
  • 関係者への聴取
  • 支給・不支給の決定

労働基準監督署へ申請への相談・申請書・申立書の入手

一番最初のハードルが労働基準監督署(以下「監督署」と呼びます)で申請書および申立書を入手することです。

もちろん申請書は厚生労働省のホームページから入手できますが、やはりあとでもご紹介しますが、ながーいおつきあいとなりますので、勇気を振り絞って監督署でもらうことをおすすめします。

監督署へ行き、窓口で「あのー、労災申請したいんですが…」と言えば、監督署の職員の方からおおざっぱなヒアリングがなされます。

どのような状況であったか、氏名、住所など聞かれて、「申請に値する」と判断されれば、先程の申請書と一緒に「申立書」というものが頂けます。

写真のような書類なのですが、これは厚生労働省のホームページではダウンロードできません。

郵送での申請でも、申請書提出後申立書はいただけますので、これをいただけるとまずは労災申請は受理されると思っていただければと思います。

ただ相談すると、多かれ少なかれ申請をためらうようなことを言われます。

それは認定期間が長いこと(あとでお話しします)、認定率が低い(約3割)ことなど事実を言われるので、申請妨害だと思わずに「覚悟を試されているのだ」と思ってください。

そして、申請時に必要な書類(給与・賞与明細など)何が必要か聞いておいてくださいね。

申請書・申立書・証拠の提出

申請書を入手後、いよいよ労災の申請書を書くわけですが、ここで愕然とすることがあります。

それは…

会社が事業主証明を書いてくれないということです。

会社はハラスメントで労災申請するということにたいしていい気分をもつわけはありません。

高い確率で会社はハラスメントという事実は確認できなかったので事業主証明を書くことはできないという返答がなされます。

ものすごく悲しくなってしまうのですが、そんなものだと思ってください。

そのかわり、「証明できない理由を書いた書類」をいただけるのでそれがあればそのまま提出、それすら書いてくれない場合には、自分で体裁がないので書けばOKです。

監督署の方も慣れたもので相談すると書き方を教えてくれますので、それに従ってくださいね。

申請書と一緒に申立書(これもがっつり事実を書きましょう)、さらにありったけの証拠を提出します。

このありったけの証拠ですが、私は以下のようなものを提出しました。

  • 音声データ
  • 音声データの文字起こしおよび概要
  • 労災申請前の会社とのやりとり

これくらいしかありませんでした。

メールのやりとりやLINEやSMS等のスクショもあればぜひ提出しましょうね。

この証拠の提出ですが、申請書当日に必ず全部出さなければならないものではなく、聴取の日までに順次提出すれば大丈夫ですので、じっくり作っていきましょう。

本人への聴取

申請書を提出してから1ヶ月ほど経過後、監督署の担当官(このころにはあなたの案件を担当する監督署の方が決まります)からあなたを聴取するので監督署まで出頭するようにという連絡を受けます。(一部電話のみのところもあるみたいですが)

私の場合には、聴取時間は4時間を2回、計8時間ありました。

ちなみにこのときには弁護士や社労士などの代理人や家族の同伴は不可となっています。

雰囲気としては警察のような取り調べのような重々しいものではなく、淡々とすすんでいきます。

飲み物持ち込みOKでしたし、お手洗いに行きたければ何回でも行けます。

私は大丈夫でしたが、体調が悪くなっても遠慮なく担当官の方に伝えれば休ませてくれると思いますよ。

正直に質問に答えていけばOKです。

関係者への聴取

本人への聴取が終われば、次は関係者への聴取があります。

私の場合には会社関係者数人及び妻に対して聴取がありましたね。

会社関係者は一人ずつ監督署へ呼ばれて聴取となり、都合の調整があるため、時間がかかります。

また転勤等で遠方へ行った場合には担当官の方が聴取対象者の近くの監督署まで出張して聴取をしてくださいます。

ここで協力的だと比較的早期に終わるのですが、非協力的だと審査期間が延びる形となります。

支給・不支給の決定

そして関係者の聴取後、忘れた頃に支給・不支給が決定します。

その間月1回担当官の方から現在の審査状況について電話をいただけますので、わからないことがあれば聞いてみてください。

私の場合にはこれが長くて、本当にきつかったですね。

支給の場合には電話連絡後簡易書留による通知書が、不支給の場合にはいきなり簡易書留による通知書が届きます。

では、次に私の場合にはどれくらい期間がかかったかなどについてご紹介したいと思います。

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ひめだかの場合

では次に私が申請したときにはどれくらいの期間及び、証拠の量などを提出したのかについてご紹介したいと思います。

審査に要した期間

私の場合には、申請書提出後10ヶ月ほどかかりました。

冒頭でお話しした審査に長期間かかるということは間違いではありませんでしたね。

やはり会社関係者への聴取のスケジューリングが大変だったと監督署の方はおっしゃってましたね。

あとは、私は長時間労働がなかったのですが、残業時間が月120時間以上などの場合には審査期間が短縮されるみたいですね。

提出した証拠

私が提出した証拠は以下のようなものがありました。

  • 申請書
  • 申立書
  • 健康診断書
  • 給与明細書のコピー
  • 音声データのDVD
  • 音声の文字起こし及び概要
  • 労災申請前の会社とのやりとり

一番しんどかったのが音声の文字起こしですね。

私は音声データを出社から退社まで1日中スマホで録音状態にしていました。

それから長期間経過したため、どこにどのデータがあるかわからずにBGMを聞くように1ヶ月ほどずっと音声を聞いては怒られるところで文字起こしを行っていました。

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まとめ:ざっくりとまとめてみました。

今回私が労災申請を行った際の流れについて申請者目線にたってご紹介しました。

従来この流れは弁護士や社労士の先生の記事が多いのですが、申請者目線の記事がなかったので書いてみました。

本当ならばもっとたくさん書くことがあるのですが、あくまで「ざっくりと」した記事を心がけましたので情報不足と感じられたらご容赦くださいね。

またぼちぼちと記事を書いていきたいと思いますのでそれまでお楽しみに。

では、またよろしくです!

労災
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記事を書いてる人
ひめだか

インデックス投資とシンプルライフがテーマの記事を書いてます。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。
【国際分散投資・iDeCo・ふるさと納税など役に立つおカネの情報】【年末調整や住所変更など手続の方法】を発信中。
妻と子1の40代のくせに会社を退職して社会の荒波にもまれる予定。

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