私のような長期投資を行っている方が持っておいたほうがいいという資金があります。
「生活防衛資金」
というコトバを聞いたことはないでしょうか。
これは、もしリストラなど何らかの経済的な災害が襲ってきても自分自身の生活を守るためにキープしておくべきおカネです。
私が知る限りでは、生活防衛資金のコトバ、および概念は2001年に刊行された木村剛氏の「投資戦略の発想法」という本で概念が紹介されていて20年近くなるものです。
私も「投資戦略の発想法」を投資する際のバイブルとして活用しましたので当然ながら投資を行う前に生活防衛資金をたくわえていきました。
「投資戦略の発想法」ではこの生活防衛資金は生活費の2年分をキープしておくべきだと書かれていますが、どの程度たくわえておくべきかについては諸説あり、
生活費の3ヶ月で十分というものから2年でもまだ足りないという意見があるなど金額的なばらつきが大きいのも特徴的ですね。
私は現在は生活費の2年以上の預貯金や個人向け国債をキープしていることから、生活防衛資金という枠は取り払い、無リスク資産として活用しています。
目的を限定せず、あるときには投資待機資金として、あるときは急な出費にも対応できるおカネとして柔軟に使うようにしています。
ところが、ふと一つの疑問が生まれてきました。
生活防衛資金とリスク資産、もしものときにはどちらから使えばいいのかと。
そこで、今回は生活防衛資金(無リスク資産)とリスク資産を経済的な災害が襲ってきたときにはどちらから使えばいいのかについて考えてみました。
生活防衛資金とリスク資産のどちらから先に切り崩すか
生活防衛資金とリスク資産のどちらから先に切り崩すべきか、結構悩ましいところだと思います。
私はいろいろ考えてこのような結論を出しました。
これはどちらから対応するのも間違いはないのですが、この方針のほうがスッキリしています。
なぜそう思ったのでしょうか。
いざというときには無リスク資産の方が使いやすいから
生活防衛資金は収入がなくなったり、急減した際、あるいは災害等で現金が必要となる時点に必要なおカネですよね。
すると、預貯金などの無リスク資産から使っていくほうが安心できるから
というのが最も大きな理由です。
私の場合、生活防衛資金を拡大した無リスク資産という枠組みにしているのですが、
これらのおカネは殖やすことを目的とはしていません。
そうなると使いやすい方から使うほうが少しでも安心できるのではないかと考えたのです。
リスク資産は解約という行為が必要だから
いっぽうで、リスク資産から使うという方法もアリですよね。
資産が増えているものから使っていき、最後の砦として生活防衛資金を使うという戦略もあると思います。
ところが、この方法だと
解約が必要なため、資産が減ったときに解約ができるのか疑問
だと思うのです。
私の場合はおカネが必要となる時期にリスク資産を切り崩すという行為はそうとうハードルが高いのではないかと。
ですので、リスク資産を切り崩すのは無リスク資産を使い切ってからにしたほうが思い切って使わざるをえないのでそちらのほうがいいのではないでしょうか。
まとめ:どちらを先に使っても間違いではないです
今回は無リスク資産を含む生活防衛資金とリスク資産のどちらから使えばいいのかについて考えてみました。
私の出した結論としては生活防衛資金から使うということでした。
ただ、これには正解というものはなく、どちらから先に使うかについては投資家の方一人ひとり番うと思います。
リスク資産に対する考え方が変われば、生活防衛資金は少なくして、その分リスク資産を多く配分すればよりリターンが高くなることもありますよね。
また、増やした資産からちゅうちょなく解約して対応するのもアリだと思います。
ただ、私はそこまでメンタルが強いタイプではありません。
経済的にへこんでしまっているときにリスク資産を解約するということはちょっと怖くなってしまうと思うのです。
それならば、最初は無リスク資産から当座の資金として使い、それを使い果たしてからリスク資産に手を付けるほうが自分にやさしいのかなと感じています。
もし無リスク資産を使い切らないあいだでリストラなどの経済的災害が収まれば、
リスク資産に手を付けずに運用が継続できるのですからそのほうがいいですね。
現在はたまたまリスク資産は株価の上昇で好調であるのですが、これが暴落時に職を失うなどすればダブルパンチなので解約にはなおさら慎重になるべきだと思います。
ですので、普段から生活防衛資金などの無リスク資産とリスク資産をどちらから先に使うかについて考えてみるのもいいのではないでしょうか。
では、またよろしくです!
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