現在、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天新興国株式インデックス・ファンドといった国際分散投資型と、米国株に投資する楽天・全米株式インデックス・ファンドの3種類が設定されています。
今回は米国株ETFである「バンガード®・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」に投資する「楽天・全米株式インデックス・ファンド」についてご紹介します。
楽天・全米株式インデックス・ファンドについて
米国株は現在過去最高値を維持し続けている関係で非常に注目されている投資先となっています。
米国株にローコストで投資するには主に海外ETFを利用するということが主な方法でした。
ところが海外ETFに投資する場合には円ではなくドルで投資しなければならない点と安くなったとはいえ日本株よりも割高な株式取引手数料がかかる点など取引に際してハードルが高いということがネックです。
そのようななか楽天・全米株式インデックス・ファンドは今までなかったS&P500(米国株の株式指標)にローコストで100円からの投資が可能といういわば海外ETFと投資信託のいいとこ取りをしている商品となっています。
信託報酬・資産残高
まずはローコストで投資をするためにはチェックしておきたいのが信託報酬です。
この楽天・全米株式インデックス・ファンドは信託報酬がどのようになっているかを表にしてみました。
バンガード®・トータル・ストック・マーケットETF(VTI) | 0.04% |
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 0.1296%(税込) |
両方あわせたコスト | 0.1696% |
ちなみに他のETFや投資信託があるのかと調べてみますと、日本国内上場のS&P500に投資する代表的な商品として以下のものがあります。
種類 | ファンド名 | 運用会社 |
---|---|---|
ETF | 上場インデックスファンド米国株式(S&P500) | 日興アセット・マネジメント |
投資信託 | iFree S&P500インデックス | 大和投資信託 |
それぞれの信託報酬と資産残高データを比較してみますと以下のようになります。
ファンド名 | 信託報酬(税込) | 資産残高(2017年11月15日現在) |
---|---|---|
上場インデックスファンド米国株式 | 0.1728% | 82.06億円 |
iFree S&P500インデックス | 0.243% | 22.80億円 |
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 0.1696% | 19.44億円 |
比較してみたところ国内上場のETFよりも信託報酬が安いことがわかります。
投資信託は新規設定した際には実質コストが増えがちですのでこの表のとおりにはいかないとは思いますが、それでもETFよりも信託報酬が低い投資信託になっています。
また、ローコストインデックスファンドシリーズのiFreeもS&P500を指標とするインデックスファンドを設定していますが、こちらもと比較しても信託報酬が低いことがわかります。
そして比較する大切な点としては資産残高があります。
これが少なすぎると運用会社が運用を打ち切ってしまう(繰上償還)可能性が高くなります。
これは3ファンドともすぐに繰上償還される可能性は低いのですが、勢いがすごいのがこの楽天・全米株式インデックス・ファンドです。
登場して1ヶ月半で19億円という資産残高となっています。
米国株の関心の高さとつみたてNISAの対象商品となっていること、そして他のETFやインデックスファンドと比較してもローコストで投資ができるという面が評価されているのだと私は思っています。
販売会社
この楽天・全米株式インデックス・ファンドの販売会社についてご紹介します。
このファンドを取り扱っている金融機関は以下のとおりです。
取り扱い金融機関 | 取り扱い開始日 |
---|---|
楽天証券 | 2017.9.28 |
マネックス証券 | 2017.9.29 |
SBI証券 | 2017.10.20 |
エイチ・エス証券 | 2017.10.31 |
立花証券 | 2017.11.10 |
このような方におすすめ
ではどのような方がこの楽天・全米株式インデックス・ファンドを利用すればいいのかを考えてみました。
お勧めするのは以下のようなタイプの方です。
- ローコストで米国株を投資したいと思う方
- 海外ETFの取引ではめんどくさいと感じられる方
まずローコストで米国株に投資したいと思われる方なのですが、このファンドは楽天側の取り分を含めても他のローコストインデックスファンドと比較して信託報酬が割安です。
しかも、国内上場ETFと遜色ない水準となっていますので、非常にお勧めです。
しかも次にご説明する投資信託ならではのメリットも享受できます。
次の海外ETFの取引ではめんどくさいと感じられる方にお勧めする理由なのですが、取引するには、ドル円の両替が必要となり、しかも積み立て投資をすることには向いていません。
確かに海外ETFを直接買うことは非常にローコストなのがメリットなのですが、そのローコストを享受するための手間がかかります。
その点でこのファンドは、ドルに両替することなく日本円で100円から積み立て投資をすることができます。
多少コストがかかるものそれをおぎなえるだけのメリットはあると思います。
まとめ:米国株のインデックスファンドならこれがイチオシ
今回は楽天・バンガード・ファンドの一つの米国株ETF(VTI)に投資する楽天・全米株式インデックス・ファンドについてご紹介しました。
日本株式も日経平均株価が20年以上ぶりの高値となっている以上に米国株は過去最高値を更新し続けています。
また、アメリカ企業は全世界を股にかけたビジネスを行っている企業も多く、間接的に世界規模に投資している効果が期待できます。
一番ローコストで投資ができるのが海外ETFであるバンガード®・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)なのですが、ドルベースであることと、積立投資には不向きなどのとっつきにくい面があります。
それを投資信託のスキームで不便さを補っていますので手っ取り早く米国株に投資したい方にはおすすめです。
楽天・バンガード・ファンドシリーズは現在のところこの楽天・全米株式インデックス・ファンド以外にも以下のシリーズがありますので併せて参考にしていただけたらと思います。
では、またよろしくです!